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2009年9月11日 (金)

八ツ場ダム推進関係者は、サミットフィーバーに罹ってないか(追記あり)

国交省の発表にはウソや隠蔽が含まれていることを第一と考えよう。
高速道路の無料化に伴う経済効果の試算が一部隠蔽されていたことが報道されたばかりである。
そして、マスコミも偏向的と批判されるが、推進関係者は、なぜそのマスコミの報道を鵜呑みにするのだろうか。

「ここまで出来たのだから」という言い方は、まさにサミットフィーバーに罹った登山者と同じではないのか。

ここで冷静なリーダーは何をするべきか。

その前にサミットフィーバーを少し説明しよう。
高山に挑む登山家たちが、頂上まであと少しのところで、天候悪化や酸素不足などで、これ以上の登山は死を迎えるという状況を理解せず、続行すべきと主張する、興奮状態を示している。
なぜ興奮状態になるのかというと、高山病の影響も大きいし、「ここまで登ってきた」という思いに押されることも大きいのだろう。

では、リーダーの執ることは何か。
それは、周囲に転がっている、凍って腐らずに放置されている、過去の登山家の「死体」を見せ付けて正気に戻すことである。そして、登頂を断念し、安全に引き返すこと。

八ツ場ダムの関係者は、奈良県の大滝ダムを見に行って欲しいものである。

ここも、民間の専門家に「そこも地すべりが起こる可能性がある」と指摘されていながら、国交省は「大丈夫だ」と、上野原と同じように高台に移転先を用意し、住民を住まわせて、いざ完成し潅水してみたところ、地すべりによる亀裂が移転先にも及んだのである。
住民は不安を抱えながら暮らしているという。

TBS「噂の東京マガジン」(9/13)でも取り上げられたが、70%の仕上がりというのはミスリードであろう。番組の中で説明されていたが、報道されている「建造中の橋」は県道で2号橋。上流寄りの3号橋は完成しており、下流寄りになる1号橋やダム本体がまだ出来てないのなら、どう見ても5割未満になるのでは。

そして70%の数字は何かというと予算の執行率。4200億の7割も消費したというのなら3000億を使ったという計算(という表示も出た)。残りの5割以上を仕上げるのに、残りの1200億で出来る見込みはあるのだろうか。

住民はどういう情報で反対を取り下げることになったのか、といえば「新しい町を作れる」「単に振り回されてきた」という。前者の「新しい町を作れる」には、どのような保証(担保)を求めていたのか気になる。後者は「国に責任を取れ」という。一方の情報を鵜呑みにして、年金のように騙されたともいえなくはないのだろうか。

生活再建が出来ないのは、「河川法」で今の場所が「川底」に指定され、改修さえも出来なくなっているからだという。(もちろんダムが出来るという前提であれば、改修して繁盛でもすれば、将来の移転賠償額が膨らむのを国が恐れたということなのだろう)

これは補修を行う際、(ダムが出来た後の移転に際し)追加補償をしないなどの何らかの取り決めを柔軟かつ第三者も同席のうえで透明性を確保して行えばよかっただけのようにも思えてくる。

再建としては、冒頭で指摘されたように「雨が降ると国道が使えなくなる」なら、高台に国道バイパスを作ればよい(*1)。鉄道は今のままでも運行可能なら、そのままでも良かろう。そして河川法の適用を解除し、好きな方で営業を再開してもらってよいのだろう(営業できるのはどちらか一方のみ)。移転用地が余れば耕作地なり、キャンプなり、活用法を地元で考えれば良いだけのように思う。

旅館が18軒→7軒に減ったというものの、復活するのに1軒10億としても100億あれば良いし、残りの「1200億」で再建がどこまで出来るかいちど試算しても良いのでは。もちろん1200億を大きく下回れば申し分ない。

何かと批評のあるTBSながら、この番組で感心したのは、インタビューに答える人を隠さず撮影し、表情をきちんと伝えていること。(もちろん、答えたくない人もおられ、取材されなかった人もおられただろうということも思慮し、番組で紹介された声が全てではない、と弁えておこう。ネットの意見もまた同様であり、ことさら感情的に強弁するものでもはないのは言うまでもない)

*1 国道バイパスの進捗率は1桁台。内閣答弁で出された数字。
http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=707

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